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スローペースで、二人で出来る事を模索しながら。二本松、競馬、などなど。

ココアのように

『この町はわたしにとって何なのだろう』


そんな答えようのない疑問に似た言葉が心の中に浮かんでくる時がある。この前友人と食事に出かけた時にその言葉を同じテンションで話してみると、


「何か迷ってることあるの?」


と問い返された。予期してなかったわたしは少し戸惑ってこう答えた。


「ううん。そういう事じゃないの」


あとで改めて考え直したら言葉のニュアンスによってはそういう悩みがあるという風にも受け取れるのだと思って妙に納得してしまったけれど、たぶんわたしの疑問はそういうものではない。じゃあどういうものなのだろう、まるで消去法のようにああでもないこうでもないとしばらく考え続けていたような気がする。まだしっくりくるような答えは得られていない。


今ままでの自分を振り返ってみて、わたしは自分の思い描いた通りではないけれど『充実している』といえる生活を送れていると思う。自分にはまだ幼い夢見がちな頃の感覚の名残がある。その感覚でいえば理想の恋人との出会いとか華やかな人生が自分にも待っているのだと信じるのかも知れない。わたしがそう望むなら辛うじてやりがいのある仕事をこなせている現状には満足は出来ないのだろう。でも、わたしにも世間並みの考え方とか、なるようにしかならないこととかが分ってきていて、現実がそういうものなのだったら決して今の自分が惨めだとは考えることはできない。けっこう和気あいあいとした職場で必要とされ、仕事で認められてきているのだから今の世の中の事を考えたら上出来なのだろうと思う。



休日、ココアを口に含んでホッと一息をつく。職場の物知りな上司が冬に向かっている今の季節を「向寒」と呼ぶのだとこの前教えてくれた。主義で独身を貫いているというその40手前の男性は、


「仕事とかやりたい事が沢山あると時間が無いね」


とわたしに笑いかける事がある。それがどういう意味なのか女のわたしには分かるような分らないようなという感じだけれど、与えられた少し大きな仕事に打ち込んでいる時のわたしは昔の自分によく似ているという。男だからそれでいいけれど、あなたはそれでいいの?暗にそう語っているように聞こえる事もある。でもそれは色んなニュアンスの中から聞こえる一つの音色で、ほとんどの場合「一生懸命頑張っている君は偉いよ」という松岡修造的な赤い色のような気がする。



松岡修造、嫌いじゃないわたしがいる。それは受験勉強で励まされたから。今でもあの人は挫けそうになった自分を正面で受け止めてまた前を向かせてくれると思う。



でもこのココアみたいに優しく包み込んでくれる存在が恋しくなるのも事実だと思う。実家に住んでいるから両親にはまだ細かい事で口やかましく言われる事もあるけれど、時々一緒に美味しいものを食べに行ったり、仕事の相談もしてもらっていて何だかんだ心強い。でもそれはどちらかというと「お味噌汁」の安心感といえばしっくりくる。



「特別」なのだと思う。ココアは特別で、優しい。


今日もそのココアをじっくり味わいながらネットを巡回する。この頃意識するようになった地元のニュースで「婚活イベント」があるという事を知る。まだ焦る年齢ではないと分っていても、意識するという事はやっぱり焦りは感じ始めているのかも知れない。地元の事はよく分かっているし、N市での出会いがある程度限られているというのは明らかで、明らかだからこそ地元の人の多くが外に…つまりはM県のS市とかに出ていってしまうという必然も仕方のない事だと分っている。


「じゃあ、わたしがこの町に残ったのって…」



『あの疑問』の答えがぼんやりと出てくるような気がする。わたしは結局大学も地元の大学を選んだし、それで良いと思った。担任に「国立ならもっと上を目指せるぞ」と言われたけれど、その時わたしは本気でそれを目指そうとはしなかったといえばそうなんだろうと思う。『シューゾー』が某動画で『富士山』と繰り返すたびに心の中で地元のあの山に置き換えてみたりしたけど、それもそれで結構な高さなのだ。




妥協しているわけでも、楽な道を選んだわけでもない。



そう思えてくるまで少し時間が掛かったかも知れない。でもわたしは、わたしの心はこの町に惹きつけられている。もしかすると何でそうなのか、わたし自身が知りたいのかも知れない。カップの底に溜まった解け残りのココア。



でも本当はそれだけではないという事も分っている。人間の心はもっと入り組んでいて、すっきりとはしていないものなのかも知れない。やっぱり何かを求めてしまっている。それはまるでココアを飲むとお代わりが欲しくなるような、そんな感情。


「この辺に良い人いないもんかねぇ?」


「まったくあんたは理想高いよね」


その日もやっぱり友達に呆れられながら午後の一時を地元で精一杯のオシャレな店で過ごしたりする。
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