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スローペースで、二人で出来る事を模索しながら。二本松、競馬、などなど。

夢十夜⑥

こんな夢を見た。

目から血を流している従兄弟が、私の前で泣いている。
従兄弟も、そして私もどうやら体は子供の頃のようである。

なぜ従兄弟は血を流しているのか?
あぁ、思い出した。
従兄弟と私は確か、近くの公園で遊んでいた。
二人で遊んでいるところへ、近くに住む私より何歳か年下の子供(便宜上、以後Aと呼ぶ)も遊びに加わったのだ。

子供がする遊びなど、高が知れている。
その日も例外ではなく、確か鬼ごっこ系の遊びに興じていたのだった。

私は逃げる側だった。
一番年上の立場であったのだが、元来の負けず嫌いの性格がこの時も絶妙に作用し、例え年下であろうと捕まってたまるものかと己の脚を健気に動かせていた。
従兄弟の鳴き声が聞こえたのはそんな時だった。
従兄弟も確か逃げていたはずなのだが、鳴き声のする方へ駆け寄ってみたところ、冒頭の状況へと至ったわけである。


目から血を流している従兄弟が、私の前で泣いている。
そして近くには、エアガンを手に持ったAが怯えたような顔でたちすくんでいた。

『何があった?』
『僕は悪くない。この子が僕をからかうから。だから僕は悪くない。』
『だから何があったんだよ。』
『このエアガンだった僕のじゃない。誰かが忘れていったみたいで、ここに置いてあっただけなんだ。』

いちいちAの説明は的を得ないが、私はなんとなく状況を掴むことが出来た。
要するに、従兄弟にからかわれたことに腹を立てたAが近くに置いてあった(誰かが忘れていった)エアガンを至近距離から使用したのだ。
それほど仲が良いとは言えないまでも、日頃のAを見たことがある私は、勿論この行為が故意であったとは思わない。
恐らく玉が入っているとは思わなかったのだろう。
しかし、状況が芳しくないということは子供の私にでもよく分かった。
この瞬間思ったのは、『家族に怒られるのではないか』の一点だった。

泣きながら目から出血をしている従兄弟を抱えるようにしながら、私は家路を辿った。
帰る間、私はどうすれば怒られないかだけを考え、結果、嘘をついた。
『今回は転んだことにしよう、じゃないと怒られると思う。だからお前が何か聞かれても、転んだことにしてね。』
帰宅し、当然の如く聞かれた質問に対し、予定通り『転んだみたい。』と私は答えた。
従兄弟の父親、つまり私にとって叔父さんは明らかに不審がっていたが、追及はせずその場は収まった。

私はAを庇いたかったのか?
いや、恐らくそうではない。
ただ、怒られるのが怖かったのだ。
大人が怖かったのだ。

数日後、叔父が一人で私の部屋を訪れた。
『病院に行ったらね、「転んだ程度ではこのような傷はつかないはず」って言うんだよ。怒らないから本当のことを言ってごらん。』

嘘だ。
大人はすぐ怒る。
『怒らないから』と今は言っていても、本当のことを聞き出したら怒るに決まっている。
そんな私の猜疑心の塊のような顔を見て何か察したのか、おじさんは更に優しく諭した。
『本当だよ、怒らない。約束する。お前は優しい子だ、誰かを庇ってるんだろ?』
その言葉を聞いて、何故だか私は本当のことを言ってもいいような気がした。
全てを告白した。

今思えば私の部屋を訪れる前に、叔父さんは従兄弟から真実を聞き出していたのかもしれない。
いや、聞き出していたのだろう。

そのお陰か、今でも叔父さんの中での私は『他人を庇うことのできる優しい甥っ子』なのだろう。
本当は違うというのに。
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