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スローペースで、二人で出来る事を模索しながら。二本松、競馬、などなど。

ささやき

僅かな躊躇いにすら意味を持たせるとしたら、木々のざわめきすら何かだと言えるのだろうか。





5月。晴れ渡っていて清々しい気持ちで過ごせそうなイメージとは裏腹に、世間では憂鬱が蔓延するという理があるのかないのか。浮かれた気分が過ぎ去った後の頭には先の見えない連続が見えるような気もしてくる。雲一つないはずの世界に重苦しい何かが。


それをどうする事も出来ず…


その時、木々が風にそよいだ。する事がなくてベンチに座っていただけだけれど、その柔らかな音に心が一瞬だけ軽くなったように感じた。よく見てみれば目の前にまだ若々しい木が植わっていて、緑の葉が少し疎らになっている。まだ微かな音が聞こえる。


『なに難しそうな顔してるんですか?』



木がそう囁いているのかも知れないと、らしくない事を考えた。けれど、そう考えられるような一瞬はまさしくこの木が与えてくれたのだと思うと別に変な事ではないように感じられる。けれどこんな誰もいない公園で黄昏そうになっている自分は少し変なのかも知れない。



バイトが休みでする事がない。する事がないから余計考えてしまう。このままでいいのかとか、この先どうなるのとか。ケータイを取り出しても大して見るものが無い。気を紛らわせてくれるものがだんだん少なくなってきたように感じる。作業中は作業中で集中していられるから考えることは少ないけれど。



何もしていなければ永遠にも思えるようで、その実大して長くもない休息。どうせ世の中が目まぐるしく動いているなら、この場所だけの静寂は例外のようなものである。


「だから…」



ヒュー…



この瞬間にまた風が吹き抜ける。今度は少し強く、木々もやや大きな音を立てた。


『そんな事はないですよ』


とでも言っているようにさえ思えた。結論を急いでしまえば早々に見切りをつけて割り切ってしまうのかも知れない。けれど、思い返してみれば結論づけるすんでのところで、何かがタイミングよく割り込むという事も結構あるように感じる。



そう、それが躊躇わせる理由なのだ。木が躊躇わせたのではない。言い切る事を躊躇っている自分がいるだけなのだ。けれどそれは、世界が言い切らせるほど単純ではないという事も意味しているのかも知れない。



風が優しく頬を撫でている気がする。



「そうかもな…」



何かは分からないけれどそれでいいような気がした。
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