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スローペースで、二人で出来る事を模索しながら。二本松、競馬、などなど。

遠く

そのままというのは何か物寂しいようにも思える時がある。明るい情緒に彩られ、鮮やかに輝いて見える時ばかりでもない。だからこの町を歩いていて感じる物寂しさというものを感じるとしたら、それはそれで何も感じていないよりは確かに私がそこにあるという事が明らかであり、確かに目の前にあるものが本当だと認めている証拠でもある。


そうは云うものの、この町がこのままなのだろうか?という事については確信をもって「そうだ」とは言えない。何かこの町で良い事が起って、ワクワクできる日が来るという未来は望みが薄いかもしれないけれど、でも全く可能性が無いというわけではない。諦めつつもどこか諦めきれない。そういうのは性とも人情とも言えて、だから常に、そこから私は何をすべきなのだろうか?と考え始めたり、とにかく何かを始めたりしてみるのだ。


この町に「何かがあったら」と思う事は多い。「何か」が何なのかは分からないけれど、「何か」があるという想像でこの町をみるというのもそんなには悪くはない。現実逃避なのか、何かしら新しい事を考えてみる前向きな思考なのかは分からない。ただ、それも一つの力強いイメージのような気がする。現実に打ちのめされ、それでも何かを思い描こうとする能力は人間だけのものと言っても良いだろうか。まあ、実際のところ烏とかイルカとかいった知性のある動物については、もうちょっと色んな事を考えてそうだから、なんて軽口を言ってみたりしよう。


ラジオでよく知った歌が流れる。最近はとみに、90年代のポップスが流れたりする事が多くなったように感じているけれど、あの時思春期真っ盛りだった私が、意味も分からず口ずさんだり、大声で歌ったその歌詞とメロディーが今頃になって、言ってしまえば時空を超えるようなタイムラグでもって沁みてくることがある。


あの頃は分らなかった。いやあの頃はあの頃の私なりに解釈していた。だけど、多分その人達がその時感じていたであろう事が、ようやく様々なニュアンスと供に伝わるようになったのだ。


『懐メロに浸っているわけではない。むしろ再発見しているのだ』


と強気に言っては見るものの、今思春期を生きる人にしてみたら昔を懐かしがって回顧している事と変わらないのだろう。それでも確かにそのメロディーから何かを感じてまた頑張ろうと思えたりする。



そのままの気分で外に出る。自分のペースで歩き出し、どこに行くかを決めないまま。




草原のようにもみえる場所で、思いっきり空を見上げる。一面のうろこ雲は何となく非現実的というのか幻想的だった。現実にも幻想的なものは確かに存在する。少ないし、自然の一瞬の表情なのだけれど、それを見ていると何となく色々と思い浮かべる事が出来る。普段はその向こうにあるものを「どうせ分りきったものだろう」とシリアスにみてしまうけれど、この時ばかりは「きっと世界にはもっと色んなものがある」と信じられる。いや信じるほどではないけれど、そう考えても良いなと思える。でもきっとそうに違いないのだ。




「このままなんて誰が決めたんだ」



自分の口から出た一言をよく確かめる。「このまま」、「こういう風」に進めようとする人はいるかも知れないし、「このまま」だと割り切っている人もいるかも知れない。多分、大枠ではそうだ。どんなに幻想的な物語を続けたとしても、現実がそういう風に変わるわけではない。だからと言って、自分が今「そうしかならないだろうな」と思っているままだとも思えない。自分の力を信じるわけではないが、「自分がここで何かをする」という事を続けた場合にはきっと違う風にもなるだろうなと予感できる。



「まあそれが面倒くさいのは確かなんだけど」



面倒くさいと自嘲気味におどけつつ言ってみるけれど、本当はそうではない。続けてゆくというのは現実的には困難、とまでは行かないけれど大変なのだ。もしかしたら少しのんびりするという今やりたい事を犠牲にしなければならない事だと分っているからだろう。未来を信じるより、今確かにこうあるというところに留まっていた方が楽なのだ。そして現実的でもある。



だけど、あの歌はずっとそんな脆い、未来なんてものを信じようとしていたような気がする。ほとんど分りきっているように思える未来。少なくともこれ以上は無いんじゃないかって思えてしまう事もある。そうなったら、本当に回顧しているだけになってしまうんだろうと思う。それはそれで悪くない。



「悪くないんだけど、なんか足んねぇんだよな…」



そう何か足りない。一生懸命にやったら出来るかも知れない事。馬鹿馬鹿しくも全力で走っていたあの時の、あの時だから見えていたものを、まだ追いかけても良いのではないだろうか。多分その先にあるものはあの時とは違うものだ。でも、それはあの時と同じ『今、一生懸命追いかけているもの』である。



カタチも、色も、眩さも、あの時とは違うけれど、あの時と同じ匂いのするもの。ずーっとずーっと遠くにあって、一生かけても届かなないかも知れなくて、でもやっぱり追いかけてしまうもの。ほんの少しだけ、見えている気がするもの。



追いかけ方も、あの頃とは違う。だからと言って、そんな今の自分も嫌いではない。



「そういえば、そろそろあの人新曲出すんだよな…どんな曲だろう」



ここで生きてゆく。『でも、この世界で一緒に生きているんだろうな』と当たり前の事を思う。
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