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スローペースで、二人で出来る事を模索しながら。二本松、競馬、などなど。

フレミングに宛てて⑪

例のゲームをインストールしてから数日が過ぎると作業に行き詰った時には近くを散歩するのが習慣になってきたように感じます。用事がないとついつい長時間没頭してしまう僕ですが、少し涼んできた夕方頃に道を歩いているとふっと頭の中にそれまで考えても居なかったメロディーが浮かぶような事があって、鼻歌ですが忘れないうちにスマホで録音したりという経験もあって、もしかするとそういう創作の方法もあるんじゃないかと今さらのながら気付いていました。ネットで調べてみても似たような経験をしている人は多いらしく、スマホの録音機能は非常に重宝しているとの事。



その日の夕方も家まであともう少しというところで咄嗟に浮かんだメロディーを忘れないようスマホに吹き込みながら玄関まで辿り着くと、丁度その時間に仕事から帰宅していた母に変な目で見られてしまいました。


「最近あんたよく外出してるね」


「散歩を始めたんだよ。この時間の方が涼しいから」


「ちょっと日焼けしたんじゃない?」


というようなやり取りを少しして苦笑いしながら自室に行こうとすると母が最後に、


「お父さん明日帰ってくるけど、私とお父さん明日出掛けるから留守番よろしくね」


と言いました。単身赴任で月末だけ家に帰ってくる父ですが、その分なるべく帰って来た時には母と出掛けるようにしています。大抵は県内を車で移動して美味しいものを食べてくるという位なのですが、「ポケ〇ン」の事があると微妙に自分もついて行きたいなと思ったり。ただ、今は先ほど浮かんだメロディーを早く入力したかったので、部屋に入るなりPCをスリープから復帰させます。



その作業が一段落したところで念のためPCのメールをチェックすると『From 虹野スミレ』という送信者からのメールが一通届いている事が分かりました。これは小林さんのネットでのハンドルネームですが内容は、


『どうも小林です。翔さん(って呼ばせてもらうね)から送られてきた曲聴いてみました。こういうジャンルの音楽は私素人なんだけど、でもなんか聴いてて気持ち良かった。優しい感じがしたっていう言い方が正しいのかな。次の曲が出来たらまた送って欲しいな』


というものでした。メールの文面で見ると少し雰囲気が違うのが興味深いなと思いました。「優しい感じがした」という感想については、そういう風に具体的な言葉で言われたのも初めてだったので、正直なるほどなという感じです。メールが届いてからそれほど時間が立っていないようだったのですぐに返信を考えます。普段から丁寧語口調の僕ですが、小林さんは名前で呼んでくれていますしあまり余所余所しくならないように敢えてこちらも「春香さん」と書く事にしました。



メールを送信したところで夕飯の時間になったようなのでリビングに行きますと母に、


「なんか良い事あったの?機嫌良さそうね」


と訊ねられました。<そんなに態度に出てたのかな>と思うのと嬉しいのは確かだよなと思う気持ちで、


「うん。まあ良い事あったよ」


と返事しておきました。ただ小林さんとの一連の出来事を説明するには出会いのきっかけとなった菅野くんとの出会いも説明しなければならないし説明したらしたで色々面倒な事になりそうだなと思い、問題がある程度整理されるまでは曖昧にぼかしておくことにしました。



夕食の間父の代わりにというか母の仕事上の愚痴をちょっと聞いたりしつつ、当たり障りのない世間話をしていると母がふと何かを思いだしたかのように、


「そういえば…」


と切り出しました。


「お母さんの仕事場で一緒に仕事している人なんだけど、その人の息子さん、あんたと同じくらいの歳らしいんだけど、家出したとかで大変だそうよ」


『家出』という言葉で僕は一瞬絶句しかけました。もしかしてと思いつつも、


「何処の人?」


と冷静を装って訊ねてみると、


「息子さんは三中出身だって言ってたから、知らないと思うんだけど家からそんなに離れてないよ。その人高橋さんっていうの」


という返事。食後、菅野くんに確認してみて分かった事ですが彼の友人の「雅仁くん」も出身もやはり三中らしく、苗字も「高橋」で一致している事からどうやら同一人物である事が分かりました。


『凄い偶然ですね…』



と菅野くんが洩らしてしまうほど思わぬところからの繋がりが出てきたのですが、たとえそうだとしても現状には何も変化がないのがもどかしいなと思いました。ただ、同い年で三中出身者だという事なら僕の高校時代の知り合いにも連絡が取れる人が二人ほど居ますし、その人に「雅仁くん」の事について訊いてみるのも良いのかもなと思いました。
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