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スローペースで、二人で出来る事を模索しながら。二本松、競馬、などなど。

麗しき人の夢 ⑯

春を待ちわびているのはどうあっても本当のようである。3月も中旬を過ぎ、世の中は卒業とか新生活という雰囲気になっているけれど、その割に時々寒さがぶり返してきて個人的に気持ちをどう持って行ったらいいのか分らなくなる。


仕事の合間に書き続けているあの小説も継続してゆくうちに半ば惰性で書けるようになってきて、にわかに『ゴール』も見えてくるのだが、どこか単調になってきている面も否めない。具体的にどういうところが単調なのかと言えば人間関係の広がりのなさである。ファンタジーチックな作品だけれど設定をなるべく現実的にしていった結果、現代社会にありがちな人間関係の狭さが浮かび上がってしまい、ストーリーを進行させるうえでどうも決定的な出来事には自然には進んでゆかない。


<絶対的に登場人物が足りないよなぁ…>


その日もいつも通りなるべく自然に物語を展開させようとしていたところで、一瞬タイプする手が止まる。ちょうどマロがデスクに近づいて来ていたのもあるけれど、「猫」が鍵になっている作品の割には猫同士の関係が描かれていないなと、その時ふと思った。マロのあごの辺りをさすりながら、


「そうだなぁ…やっぱりもう一匹…」


『もう一匹』と考えたところで私の頭の中に何か引っかかるものがあった。作品は「猫が人間になる」という設定を活かしたものだが、では逆に人間が猫になるなら、それは一匹ともいえるし一人でもある。なるほど…その線か!



ひらめいてしまうとこじ付けのように過去の伏線を繋げあわせて一人の女性のキャラクターを登場させるのが最適だという事に気付く。「猫に変身できる女性」という結構ありそうでなかったキャラクターをいかにあり得そうな事として描くか、ちょっとした腕の見せ所である。結局土曜日の午前は執筆だけで過ぎてしまった。



こうして一話書き上げるごとに、ますます自分の作品に愛着を感じるようになる。特に登場人物に対しての思い入れも強くなってきている。年齢も性別も環境も違う人物だけれど、何らかの意味で自分の分身でできることなら大団円を迎えさせてやりたいし、そういう方向に動いてゆける人達を描いているなと思う。



作品も大切だけれど作品を書いていて得たものも大きい。お互いの作品を通じての友人とのやり取りだったり、書く大変さが分ってくるからこそ自分が読む作品から得るものも変わってくるし、作品を書くための世界を客観的に見る目でこの現実も時々違った風に見つめることもある。そこで感じるのはやっぱりこの時代の人間関係だろうか。仕事場ではこういう創作をしている事は明かしてはいないけれど、ネットに公開しているから「私」という人間はむしろその作品が中心になって理解される。作品を公開している自分は仕事場での自分とはまるで違う人間のように感じる事さえある。



これを突き詰めてゆけば私のような素人でも「作品が中心」という人生観になってゆくのかも知れない。ただそれはそれで素晴らしいのかも知れないけれど、私は友人達と一緒に何かをしている時のような、あの充実した感じを伝えたくて作品を書いているのかも知れないなと思う。もちろんそれだけではないけれど、今もこうやって刻々と移り変わってゆく世界で作品を公開するという『活動』を楽しんでいる自分は忘れてはならないなと思う。




午後からは友人のO君とやりとりをしながら競馬中継を見る。そろそろ春のGⅠ連戦となるけれど、そこで熱狂しているであろう自分を想像する。未だ色もなく単調に過ぎがちな毎日だけれど自分の中で何かを積み重ねて、また鮮やかに咲き誇る桜を眺めていたい。
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