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スローペースで、二人で出来る事を模索しながら。二本松、競馬、などなど。

麗しき人の夢 ⑫

「うわ…」


その朝妙に印象に残るストーリーのある夢を見ていた気がした。なんというか、中国のような苦境に生まれ育った若者が誰かの復讐をしようとして只管矢のような道具で遠くの的に当てる練習をしている、というような夢で夢を見ているのは自分なのに、完全にその人物になり切って生きていたように思う。


現代ではあり得ないけれどその念の凄まじさが生々しく、ちょっと思い返しただけでもしっかり筋のある話になっていたのでちょっとした映画を見たような気分だった。ただ刺激が強すぎたのか、冬になりかけているのに少し寝汗を掻いてしまっていた。


「ってか…マロいたのか…」


寝汗を書いていたの理由はもしかするとそれだけではないかも知れない。布団の胸元には普段は足元で寝ている猫のマロがちゃっかり入り込んでいて寝息を立てていた。そのちょっとした寝苦しさが見せた夢なのかも知れない。ここで起き上がって夢で見た誰かの人生のようなストーリーをメモしてみようかなと思ったけれど、そんな殺伐とした世界を好き好んで観たいとは思わないだろうなと思い直し、6時までのあと1時間程二度寝する事にした。



二度寝した時の夢は何か起きているのと同じような夢だったような気がする。



12月に入り一週間ほど経ったその日、外には早くも白いものが降りていた。マロが寒がったのも無理はない。車を出すのに障りがあるかないかギリギリの積雪量で、何にしても早めに出る必要があった。この現実感で夢の事はほとんど薄れてしまったが、考えようによってはこれも「厳しい世界」の象徴だろうし、いよいよ気持ちが引き締まってくる。



職場の話題も専ら雪の事であった。車で出社してくる人が大多数の職場だが、無理をせず電車で来たという人もいるらしい。愚痴ではないにせよ、雪への恨み節は尽きる事がない。天気を恨んでも仕方ないのだが、ほぼ雪国であるこの地方では季節の落差が激しく対応が容易ではなく、スタットレスに履き替える時期という悩ましい問題もある。できる事ならはっきりといつからいつまで「冬」と決めてくれた方が、降雪量が同じでも大分気持ちが違う。


同僚の佐藤君にもちょっと戯けた感じでそんな事を口走ってみたら、


「まじそうですよね。今週も出掛けようと思ったのに、これじゃあ無理かな…」


と熱心に同意してくれた。考えることは大体同じという事だ。



帰りには雪はある程度融けていたが、逆にそれはそれで路面の状態が良くない。帰りにマロのおやつを買って行ってあげようと思ったけれど、その日は辞める事にした。帰宅して出迎えてくれたマロにご飯をあげてから、冷蔵庫にある材料で適当に料理を始める。なんとなくその日は野菜炒め。



夜の一時は安定して創作に当てられるようになっている。物語もしっかり動き出してくれたようで、書いているうちに徐々にコツを掴み始めて、ある程度一定のペースで書けるようになってきた。投稿している小説サイトで時々もらえる良い評価も自信を深めさせてくれるという好循環もあった。



一時間程集中していた時、同時に起動していたPCのツイッターに反応があったので確認してみると、友人達とやり取りしているDMだった。そこにはちょっと大げさかもしれないが我々にとっては驚くべき内容が…


『4月でN県からこっちに戻ってくることになりました』



それは今年再会したK君からの連絡だった。つまりこれは隣県のN県にいるK君の仕事場がF県になるという事である。


『うぉ!!それは良かった!!』


『おめでとう!!』



私と友人O君は雰囲気的にすぐ祝福のメッセージを送った。K君も前に会った時にいずれはこちらに帰ってきたいという事を話していたので、希望どおりのはずである。ただ考えてみると長く住んだ場所を離れるというのもなかなか大変な事で、特に仕事では引継ぎなどでこれから色々困難もあるだろうなと想像されたので、「良かったね」というばかりでは足りない気がした。とはいえこちらとしては会い易くなるという意味で嬉しいのは事実である。



嬉しさでテンションが上がり書きもののペースも際立って上昇したのだが、ふと冷静に、


「といっても、まだ先の事なんだよなぁ…」


どうやらK君は最後にN県で過ごしたいという事から年末には帰ってこないらしく、私としても年末の予定はあまりなさそうである。


「まあ創作に当てられると思えばね」



やはり冬は冬である。

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